古典「種の起源」
ダーウィンの著作「種の起源」。とても有名だけど内容は正確には知らないっていうものの一つだと思います。生物を扱っている仕事をする者として、どんなものかと読んでみました。
読みにくい話です。動植物の形態や地質学の話が繰り返されるのですが、図もイラストもなく言葉のみでダーウィンの持論が展開されるのでイメージが湧きにくいです。これが専門的な文献ではなく、一般書として本屋で販売され、かなり売れたというのが驚きです。それだけ当時ではセンセーショナルな内容だったのでしょう。この時代はすべての生物は神が創造したと考えられていたらしく、相当な批判もあったようです。
タイトルが示すような、生物はどこから誕生したかなんてことは書かれていません(これは永遠に謎だと思いますが)。人間は猿から進化したなんてことも書かれていません。生物は少しずつ形態が変化する可能性があり、生存競争に不利な種は自然淘汰されていくという推測を、ダーウィンは膨大な量の動植物観察から生み出したのです。DNAや遺伝の法則が発見される前に、この理論を考えたのは画期的だったのですね。