一命
映画「一命」を観ました。
どうやらこの映画、興行的には失敗しているようです。
劇場には観客6人だけでした。
でも内容は面白かったです。
経済的に困った武士が金持ち武士宅に駆け込み、そのつもりもないのに
「切腹したいので玄関先を貸して欲しい」と頼み、対応に困った相手から
お金をめぐんでもらうという狂言切腹。
狂言切腹を許さない武士が狂言した若者を本当に切腹させたことから始まる
因縁の物語は、感情的でドラマティックで見応えがありました。
主演の市川海老蔵の演技を本格的に観たのは初めてなのですが
眼力、よく通る声、体の動きなど、他の俳優とは一線を画した存在感です。
プライベートがハチャメチャなこの役者に好感度は抱きませんが、
さすが歌舞伎界の寵児と言われるだけのことはあるなぁと感心しました。
昔ながらの勧善懲悪チャンバラ劇ではないところがヒットしていない理由でしょうか?
役所広司も存在感たっぷりで良いと思うのですが。